7月31日開催の日銀 金融政策決定会合での追加利上げ発表後、収束へと向かうかと思われた「円キャリートレード」。8月5日の記事でもお伝えしたように、円キャリートレードは、日銀の金融緩和と円安を利用したもので、日本円などの低金利の通貨で調達した資金を高利回りの資産に投資して儲ける手法で、長期に渡って盛んでした。これが、日本の利上げ決定により、旨みがなくなることを懸念した方々が、円の買戻しを迫られて、巻き戻しが発生。8月5日に発生した「令和のブラックマンデー」の大きな要因となったとも思われます。
内田真一副総裁の8月7日の発言では「金融市場が不安定な状況では利上げしない」方針が語られたが、日銀は2024年内に追加利上げするのであろうか?円キャリートレードを行っている方々も注目しているのは、このポイントでしょう。日銀が追加利上げをステイしていれば、円キャリートレードの旨みがあるのであり、一旦撤退した方々の再参入の可能性は増すでしょう。実際に、復活の兆しがあることも報じられ始めています。
8月23日には、鈴木財務大臣や植田和男日銀総裁が衆院財務金融委員会の閉会中審査に出席し、東京株式市場での不安定な株価の動きを安定させる協議もされると思われます。おそらくは、ここで年内の追加利上げを控える方向性が出されるのではないでしょうか?そうなれば、一気に円キャリートレード復活へと動き始めるため、為替(ドル円)は円安へと逆戻りするでしょうし、円安=株高の傾向があることから株高へと向かいそうです。
円キャリートレードは、為替(ドル円)、株価に大きな影響を与える要素であるだけに注目していきたいです。
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