今年のお盆休み期間中、岸田文雄 総理大臣の退任予定が明らかになり、政治経済界隈はざわつき始めました。注目されるのは、「新総裁になるのは誰か」。前記事では、【次期総理と為替】の関係について考えてみましたが。今回は【次期総理と株価】の関係について考察してみたいと思います。
まず、河野太郎氏。
本日8月15日の閣議後の記者会見にて自民党総裁選への立候補の意向を訊かれると、出馬への意欲を示しました。彼は、海外の投資家から人気が高い。前回2021年の総裁選で彼が総理になることが有力視されていた際、海外の投資家が日本株を買っていたことも記憶に新しいです。そして、期待感から株価が高騰を示す中、岸田氏が総裁になることがわかると、海外投資家が買い越し分を処分し、株価は下落しました。
ということで今回、河野氏が総理に就任する場合、株価が上がるのでは?という期待感も感じますが、一方で、懸念点のあります。河野氏は、今年7月、円安が行き過ぎていることを問題視し、日銀に追加利上げを求める発言をしています。7月31日の日銀追加利上げ発表後、株価が暴落したことからもわかるように、利上げは円高に繋がりますし、株安にも繋がる要素でもあります。
河野氏が総理になった場合の株価、高低両方の要素がありそうです。果たしてどうなるか… まあ、その前に自民党総裁選の結果がどうなるか、、ですが(笑。前回同様、麻生太郎氏から推されなかった場合、難しいかもしれません。
続いて、石破茂氏。
石破茂元幹事長は昨日8月14日、立候補に必要な推薦人20人が集まれば出馬する意向を明かしております。前記事でも書いたように、石破氏は以前、円安を”円弱”と問題視し、利上げによる円安是正に意欲を見せています。これは、円高要素であるとともに、株安要素でもあります。
なお、石破氏は前回、推薦人を集められなかった上、麻生太郎氏とのパイプが弱い懸念もあります。また、石破氏は大ベテランであり、岸田氏が昨日語った「自民党の刷新感」を出しにくい点もネックかと。今回も推薦人が集まらなかった場合には、河野太郎氏か小泉進次郎氏の支援に回る可能性もあるのではないでしょうか?
続いて、高市早苗氏。
高市氏は本日8月15日、靖国神社参拝の際、自民党総裁選出馬について訊かれると、明言を避けたものの、「仲間たちと一緒に力を合わせて、この日本列島を強く豊かにして次の世代に引き渡す使命を負っている」と語り、強い使命感を持っているようです。
前記事でも書いたように、高市氏は2021年の総裁選では大規模金融緩和政策を志向しており、安倍元総理の流れをくみ、金利を上げない方向性だと思われます。この場合、「円安」になることが想定されます。円安=株高に繋がりやすい期待が持てますが、果たしてどうなるでしょう?
続いて、小泉進次郎氏。
岸田 現総理が昨日8月14日に「今回の総裁選では、自民党が変わる姿”新生自民党”を国民の皆さんに示す必要があります。」と語っていたことを考えると、小泉氏のイメージがピッタリな印象も受けます。父・小泉純一郎 元総理のイメージもオーバーラップして見えますし、菅義偉前総理のバックアップを受けている点も、小泉進次郎氏に追い風。父・純一郎氏が以前は、進次郎氏が50歳になるまでは総理反対の旨を示していたことが話題になっていましたが、進次郎氏は現在43歳。とはいえ、ジャーナリストの田原総一朗氏によると、純一郎氏が「進次郎氏がやると言ったら反対しない」旨を語っていたとの報道もあり、この局面の中でGOサインを出す可能性も出てきたのではないでしょうか?また、8月10日配信の『ラジオNIKKEI』の番組で、進次郎氏は「今、43歳。仕事上の判断を、父に仰ぐだろうか。歩みを進めるも引くも自分で決めます。」と語っており、本人の独立した決断力も持てているようで、期待も高まります。
その小泉氏に関しては、金利に関する発言が思い当たらず、彼の為替への影響度合いに関しては、現状は不明。ただ、彼は基本的には現政権の方針を踏襲すると思われますし。自民党を一新する期待感から株が買われ、上昇する要素はありそうです。
なお、昨日の岸田 現総理の退任に繋がる発言以降、上記4人以外にも新総理候補が次々と報じられ始めています。たとば、小林鷹之 前経済安全保障担当大臣。元 二階派所属であり、麻生派の甘利明氏との関係も近い。財務省官僚としてのキャリアもある。ということで可能性はありそうです。
また、茂木敏充 幹事長の名前も上がっています。茂木氏は以前、「円安是正のために日銀は金融政策を正常化させるべき」との発言をしており、利上げ、円高へと進む要素を持っており、株価上昇とはいかないかもしれません。
自民党総裁選挙の日程は、来週8月20日に開かれる選挙管理委員会で決まる見通しとなっていますが、約1ヶ月程後には開催されることが想定されます。果たして誰が総裁に選出されるのか、注目していきたいと思います。
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