自民党の石破茂総理が本日10月2日、日銀の植田和男総裁との会談を行いました。新総理と日銀総裁、注目の2人の会談!総理と日銀総裁の会談は1年に数回実施されますが、総理就任直後に行われるのはあまり見たことがありません。それだけ、石破総理が日銀との関係を大切にされており、まもなく開催される衆院選を前にして、市場を安心させたいという意志も強いのでしょう。
会談後、石破総理が官邸で記者団の取材に応じ、「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と語り、マーケットにも大きな影響を与えています。
新総裁就任の際は、”石破氏といえば利上げに積極的”という印象が強かったため、石破ショックともいうべき現象を巻き起こしましたし、一気に円高へと転じていましたが。その後は、WBSや日曜討論で「金融緩和継続」という柔軟な姿勢を見せ、市場にすこし安堵感をもたらしていました。そして、本日の日銀 植田総裁との会談。投資家からの熱視線が送られる中、”利上げを急がない発言”。石破氏は「政府としてあれこれ指図をするような立場にはない。これから先も緩和基調を維持しながら経済が持続的に発展していく、デフレ脱却に向けてこれから先経済が推移していく、そういうことを期待していると、日銀の植田総裁に申し上げた」と語りました。実にマトモな発言で意外でしたよね!w また、植田総裁も利上げについて「見極めるための時間は十分にある。丁寧にみていきたい」と語りました。
自民党の石破茂総理と日銀の植田和男総裁との2ショットを見ると、青木総裁のちょっと拍子抜けしたような、安心したような表情が印象的ですよね。
石破総理の柔軟な姿勢。市場はこれに敏感に反応し、為替(ドル円)は一気に円安へ。会談前には1ドル=143円台後半だったドル円は、145円台半ばまで円安が進みました。
また、石破総理は「投資大国の実現に向けて取り組んでいくということを説明した」とも語っており、これも投資家の皆さまを安心させたのではないでしょうか?「岸田前総理が掲げた”資産運用立国”」を目指して、石破新総理も邁進していただけそうな予感。早速、日経平均先物も上昇しはじめています。明日も上げ相場になる可能性が高いことでしょう。
この数日間で、”円高・株安”が一転、”円安・株高”へと変化…ホント、最近、目まぐるしいですよね!w
石破氏の一挙手一動足で、為替も株価も大きく動きます。
これぞ、イシバノミクスの現象というものかもしれません。
石破氏の動きから目が離せませんね!
【政府・総理と日銀の関係】
ところで、この数日間、石破総理の意向によって日銀の利上げの憶測が飛び交い、為替(ドル円)にも大きな影響を与えておりますが、総理大臣の意向は、日銀の金融政策判断に影響を及ぼすものなのでしょうか?
日銀法では「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」と定められており、「金融政策の独立性」が保たれており、政府の意向に左右されない規定にはなっています。一方で、政府は景気を見ながら、日銀に金融緩和を求めたり、利上げを求めたり、、と圧力をかける場面もよく報道されますよね。日銀法の第4条には「政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない」という規定もあり、政府との連携もしなければなりません。独立しつつ、連携もする、、いずれにしても、総理・政府の意向の影響は無関係ではないと言ってよいでしょう。
なので、石破総理が「追加利上げする環境にあるとは考えていない」と語ったことは、一定の影響力がありますよね。だからこそ、為替や株価が敏感に反応しているのでしょう。
石破総理はWBS出演時に「金融緩和基調を基本的にかえることはない」としつつも、「政府がやるべきこと、物価の安定を主任務とする日銀が判断すべきことがある。日銀が政府の子会社だと思っていない。連携を密にしながらそれぞれが適切な判断をしていく」旨のことを語りました。これにより、年内の急速な利上げはしにくいでしょうね。一方、年明けに景気を見ながら、利上げのタイミングは来ることでしょう。
日銀としては、高市氏が総理になった場合に比べて、石破総理体制の方が、進行はしやすいのではないでしょうか?本日の青木新総裁の安らかな表情が、それを物語っているように感じました。
現場からは以上です!
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