8月5日 月曜日、
今朝の東京株式市場は大暴落で始まりました。
前記事でも書いたように、
今回の日本企業の株価暴落の大きな要因は、
日銀の追加利上げ決定と、
日米金利格差が縮小することから円高への転換が始まったことかなと。
円の価値が上がり始めているので、
企業の価値を円換算した際の金額が安く見える、
という要素が強いかと思われます。
一方、
追加利上げの恩恵を一番受けるはずの銀行の株価も暴落しています。
▼今朝のMUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)株価チャート
MUFGは、17%以上も下落、
三井住友FG、15%以上下落、
みずほFG、16%以上下落
と、3メガバンクともの暴落しているのです。
金利が上がれば、銀行の貸し出し金利は上がり、儲かるはずなのですが、
株価暴落しているのは、なぜでしょうか?
銀行株暴落の要素は、いくつかあると思いますので、下記に列挙してみます。
=======
・円高が加速し、円の価値が上がっていくので、円換算した際の価格が安く見えます。
・三菱UFJフィナンシャルグループなどのメガバンクは、貸出の多くを海外で展開しています。その多くが米国の国債を始めとしたもの。円高になれば、その資産価値は下がります。
また、米景気後退懸念が高まっており、米長期金利が急低下の可能性が出てきており、米国資産を多く保有しているメガバンクにとってマイナス要因です。
・銀行自体も株式投資をして儲けていますが、世界的な株価暴落でその価値が下がれば、銀行の資産価値も下がります。なので、銀行だけが景気がよくなるということはなく、連動する部分は多いのです。
・今まで超低金利だからこそ、世界中の企業や人が日本の銀行を利用してきましたが、金利が高くなっていくことで、日本の銀行を利用するメリットがすくなくなり、利用者が減ることが想定されます。
利上げされるとなれば、今まで借りていた企業や人の中には、早く返済しようとする人が多くいるはずです。返済されれば、貸出額が減り、銀行の儲けも減る。金利が上がって貸出額が変わらなければ、銀行は儲かるのですが、貸出額が減れば、利益も減ってしまいます。
なお、「円キャリートレード」が銀行をはじめとした日本の株価に与えている影響も強いと思われます。円キャリートレードは、日銀の金融緩和と円安を利用したもので、日本円などの低金利の通貨で調達した資金を高利回りの資産に投資して儲ける手法で、長期に渡って盛んでした。これが、日本の利上げ決定により、旨みがなくなることを懸念した方々が、円の買戻しを迫られて、巻き戻しが発生。これにより、円高に拍車がかかり、さらには株価急落に繋がった可能性も高いです。
・金利が上がると、国債などの金利も上がるので、銀行が保有している 手持ちの債権価格が下落し、損失が発生します。
・中東危機を始めとした世界情勢の不安定感から景気減速の懸念が高まり、銀行で融資を受けようとする企業や人が減ることが懸念されます。
・米国の景気低迷、中国の景気低迷から、世界的な景気減速が想定され、銀行で融資を受けようとする企業や人が減ることが懸念されます。
=======
ということで、
たくさん書いておきました。
私自身、世界的なパンデミックの最中、低金利で銀行株の価格が暴落した際に銀行株をたくさん買いました。近い将来、金利がつくようになれば、銀行の儲けも増えるので、株価も上がると思ったのです。その後も低金利が続いていましたが、銀行株の株価は上がっていきました。購入額の4倍以上にもなっていたのです。そして、金利上げの発表があった7月末、「遂に さらに儲かる時が来た!」と思ったものですが、その通りには ならないようですね。この数年間、銀行の株価が上がっていたのは、円安の恩恵も多分にあり、MUFGの株主総会でも、経営陣が「円安はプラスに働く」と仰っていました。世界は絡み合って連動してできているので、その連鎖を見極めて、今後も取り組んでいきたいと思います。
コメントを残す